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半合成繊維「アセテート」
2015年06月02日(火)
※アセテートについて
アセテート繊維は、アセチルセルロース(セルロースから製造される合成樹脂)から作られる繊維質な素材で、原材料は木材のパルプに含まれる繊維素(セルロース)と酢酸を反応させて作り出されます。自然素材を原料に作られる半合成繊維として1921年頃に開発され、1924年から工業生産が開始、日本では、1948年頃から生産が始まりました。
タバコのフィルターにも利用されているそうで、1950年代頃から、それまで使用されていた紙製フィルターからアセテート繊維を使用したフィルターへと置き換わっていったそうです。アセテートには2種類あり、それは、製造過程で結合される酢酸の量で決まります。酢酸を使った酸化度の低い方がジアセテート、酸化度が高い方がトリアセテートと呼ばれています。
また、ジアセテートの方が、トリアセテートより合成が容易である為、多く生産されていますが、トリアセテートはジアセテートと比較して、絹に近い風合いと、発色性に優れているという特徴を持っています。
タバコのフィルターには、主にジアセテートが用いられるそうです。
特徴:
- 絹に近い独特の光沢がある。
- しなやかで、発色性がよい。
- シワや湿潤強度にやや問題がある。
- 吸湿性がよく、乾くのも早い。
- 静電気が帯電し難く、ほこりやチリが付きにくいです。
- トリアセテートと比べ生産し易い。
特徴:「トリアセテート」
- 絹に近い光沢と感触がある。
- 発色性が良く、染色すると色に深みが出る。
- ドレープ性が良い。
- 肌に直接触れる面積が少なくて、肌触りがサラサラしていりる。
- 耐熱性がジアセテートより、優れている。
- 吸湿性が乏しい。
- 用途:
- 高い吸湿性と優れた速乾性を持っているので、下着やタオルなどに多く使用され、また絹のような風合いと、耐光性、発色性をいかし、セーターやスカーフなどにも多く使用されています。アセテート(ジアセテート)は、絹のような光沢と感触があり、その多くは、レーヨンやポリエステルなど、他の繊維と複合して生地にします。とくにトリアセテートは、豊かなドレープ性とソフトな風合いを生かし、質の高い婦人服向けに使用されることが多く、ジアセテートは、服の裏地や衣類の品質表示ラベル、リボンテープ、タバコのフィルターにも用いられています。
- 一般的にアセテートは、ジアセテートのことです。