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ラッセルモールの片切れ
2006年10月05日(木)
みなさんこんにちは寺井レース(有)井波秀俊です。
最近どっか南の国にでも行きたい気分です。
でも、お金も時間もありません(涙)
さて、前回のラッセルモールの品質管理の続き。
ラッセルモールは片切れ、カッターの切れ味が重要とお話ししました。
では片切れとは?
写真はラッセルモールを黒い台紙に貼り付けてみました。
左が良品。右が片切れが出た不良品です。
(写真をクリックすると拡大写真がでますので判り易いです)
片切れとはモールの毛の部分が右左と長さが均等でなく、長いところと短いところがある状態です。
毛が左右均等均一でないと、セーターやマフラーを編んだ時に横筋といって、その部分だけ横に筋が出てしまいます。
黒い紙に1本白い線が入った状態。
(すいません写真だと解り辛いので載せませんでした)
皆さんは買いますか?
量販店で売られている、中国製品ではよくこれが発生していますが売られています・・・。
でも、弊社のラッセルモールは少々お高く、上代(お店でセーターなどの製品として売られている値段)が¥3万~¥10万の高級品です。
もう一度聞きます。
あなたならそんな製品を3万円も出して買います?
たとえお気に入りのブランドでも。
私は絶対に買いません!!!
ですから、弊社ではこれを工場内で1時間おきに1本1本手でつまみ人間の目で直接検査し、出荷前の枷上げという工程でも検査。
また、出荷の荷造り時にも検査を行っています。
<実はこの片切れ他社(もちろん日本の企業)ではあまり気にしていないそうです・・・。
数年前ある枷上げ工程をしている方のところへ別件で伺い、他社のラッセルモールをちょっと拝見したことがあります。
すると片切れのモールが。
「これ不良ですよ」
と、私がおせっかいで教えて上げると、
「こんなんいちいち省いていたらほとんど不良でロスも大きいし、こっちも工賃少なくなるし」
・・・。
顧客満足度を考えるとこれでもいいのかもしれません・・・。
実際、その企業のモールは安く売り上げも大きい。
でも・・・。
だから日本製が売れなくなるんです!
確かに弊社もはじめはこの片切れ不良だけで不良率50%くらいありました。
原糸ロス、時間ロスその他など考えるとほとんど利益がありませんでした。
でも今は5%ほど。
工場内みんなの努力と知恵の結晶です。
ただ、この片切れ品ただ捨てるのはもったいないので、現在なにかに使えないか用途開発中です。
刺繍糸などに使用すると結構味が出て使えそうです(現在はすべて破棄しております)。
でもセーターなどの横編みには絶対にお売りしませんし、こちらも出荷しませんので御安心を。
長くなりましたのでカッターの切れ味のお話はまた今度~!